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時間制の仕組みと向いているケース
探偵事務所の料金体系は大きく分けて3種類存在しますが、その中で最もオーソドックスで多くの探偵事務所が基本としているのが「時間制(タイムチャージ制)」です。
時間制は「調査員1人あたりの1時間の単価 × 稼働する人数 × 実際に調査した時間」という非常に分かりやすい計算式で費用が算出されます。
これに、基本料金(車両代や機材費など)と実費(交通費などの経費)が加わって総額が決まります。
例えば「調査員2名・1名あたり1時間7,000円・5時間調査」の場合、7,000円×2名×5時間=70,000円がベースの調査料金となります。
使った時間分だけを支払うため、非常に明朗会計であると言えます。
時間制に向いているケース
時間制は「短時間で調査が完了すれば、最も費用を安く抑えられる」という最大のメリットがあります。
そのため、以下のような状況の依頼者に最適です。
- 密会日時や場所がピンポイントで分かっている: 「今週の金曜日の19時に、〇〇駅前の居酒屋で浮気相手と会う」といった確実な情報があり、数時間の尾行で証拠が取れる見込みが高い場合。
- 対象者の行動パターンが固定されている: 「退社後、必ず特定のマンションに立ち寄る」など、無駄な空振りが発生しにくい状況。
逆に、いつ会うか分からない状況で時間制を選んでしまうと空振りの日も時間分の料金が加算され続け最終的な総額が青天井に膨れ上がるリスクがあります。
パック料金の仕組みと向いているケース
「パック料金」とは、「20時間パックで40万円」「30時間パックで55万円」といったようにまとまった調査時間をあらかじめ定額で購入(前払い)する料金体系です。
パック料金の最大の特徴はその定額料金の中に「調査員の人件費」「基本料金」「車両代・機材費」「報告書作成費」などの諸経費が最初からコミコミで含まれているケースが多い点です(※交通費の実費は別途となるのが一般的です)。
時間制の1時間あたりの単価に換算すると、割安に設定されていることがほとんどです。
パック料金に向いているケース
パック料金は、「長時間・複数日にわたる調査」を前提としているため以下のような状況に向いています。
- 浮気しているのは確実だが、いつ会うか分からない: 対象者の警戒心が強く、1週間のうちどこかで会うだろうという推測しかできない場合、20〜30時間分の枠を確保して網を張る必要があります。
- 対象者の移動距離が長く、調査が長時間に及ぶ: 通勤から退勤、休日の外出まで、対象者の行動を長期間監視しなければならない場合。
- 総額の予算上限を確定させたい: 「これ以上は絶対に追加費用を払いたくない」という安心感を重視したい場合。
注意点として、パック料金は「20時間パックを契約して、5時間であっさり証拠が取れてしまった」場合でも余った15時間分の返金がされない(または手数料を大きく引かれる)ケースが多いです。
早く終わると逆に割高になってしまうのがデメリットです。
成功報酬型の仕組みと「成功」の定義
「成功報酬型」は、調査が「成功」した場合にのみ報酬を支払うシステムです。
「完全成功報酬(着手金ゼロで、証拠が取れなければ0円)」と「一部成功報酬(着手金は払い、成功時のみ残金を払う)」の2パターンがあります。
一見すると「証拠が取れなければお金を払わなくていいから、依頼者にとってノーリスクで最高だ」と思いがちですが実は探偵との間で最もトラブルになりやすいのがこの成功報酬型です。
当サイトでも安易に成功報酬型を選ぶことは推奨していません。
最大の落とし穴「成功の定義」の違い
トラブルの火種は、「何をもって『成功』とするか」の定義が、依頼者と探偵で食い違っていることにあります。
依頼者は当然「ラブホテルに出入りする決定的な不貞行為の証拠写真」が撮れたら成功だと思っています。
しかし、悪質な探偵事務所の契約書には「対象者が浮気相手と接触しなかったことを確認できたこと(=シロだったという事実の判明)」を成功と定義している場合があります。
この場合、浮気写真が一切撮れなくても「調査の結果、今日は浮気をしていませんでした。成功ですので報酬の100万円を払ってください」と請求されてしまうのです。
成功報酬型を選ぶ場合は、必ず契約書に「不貞行為を立証できる客観的な証拠写真を取得すること」を成功の条件として明記してもらう必要があります。
同じ調査を3体系で計算するとどうなるか
では、全く同じ条件の調査を「時間制」「パック料金」「成功報酬型」で依頼した場合、それぞれどのような結果になりやすいかをシミュレーションして比較してみましょう。
【状況設定】いつ会うか分からず、結果的に3日目(合計15時間の調査)でホテルに入る証拠が取れた場合
| 料金体系 | 費用の出方と結果のシミュレーション |
|---|---|
| 時間制 | 15時間分の細かい積み上げ計算。出動のたびに基本料金や機材費が毎回加算されるため、想定していたよりも割高になる可能性がある。 |
| パック料金 | 「20時間パック」などで契約していれば、枠内に収まるため追加費用なし。時間制よりも1時間あたりの単価が安いため、結果的に最もリーズナブルに収まる可能性が高い。5時間余るが、安心料と言える。 |
| 成功報酬型 | 証拠が取れたため、「成功報酬」が発生する。探偵側が負っていた「空振りリスク」の分が上乗せされるため、パック料金で15時間稼働した時よりも最終的な請求額がかなり高額(割高)に設定されていることが多い。 |
このように、「早く終われば時間制が安い」「長引けばパック料金がお得」「成功報酬は空振りリスクがない分、成功時の単価が高い」というそれぞれの特性が分かります。
探偵と興信所で料金体系に違いはあるか
探偵事務所を比較していると「〇〇探偵社」と「〇〇興信所」という2つの名称が存在することに気づきます。
「興信所の方がパック料金が多いのではないか?」「探偵の方が成功報酬に強いのでは?」といった疑問を持つ方もいますが、現代において探偵と興信所に業務内容や料金体系の違いは一切ありません。
歴史的な背景を辿ると、昔は「探偵」が個人の素行調査や浮気調査を主に行い「興信所」が企業の信用調査や雇用調査を主に行っていました。
しかし現在では、どちらも「探偵業法」という同じ法律の管轄下で、全く同じ業務を行っています。
名称の違いは単なる名残であり「料金が安いかどうか」「どの料金体系を採用しているか」は、探偵か興信所かではなく、各法人の経営方針によって決まっています。
自分のケースではどれを選ぶか
3つの料金体系にはそれぞれ明確なメリットとデメリットがあり「どの料金体系が誰にとっても一番安くて優れている」と断定することは不可能です。
重要なのは「自分が持っている事前情報の量」と「対象者の行動パターン」に合わせて、最もリスクの少ない料金体系を選ぶことです。
- 情報がピンポイントで揃っている → 時間制
- 怪しい曜日しか分からず、数日は調査が必要 → パック料金
- 難易度が極めて高く、失敗のリスクを許容できない → 条件を厳格に定めた成功報酬型
もし、自分の状況にどのプランが向いているか自分で判断がつかない場合は複数の料金プランを用意している大手探偵事務所の無料相談を利用しましょう。
「私の手持ちの情報量と予算なら、どのプランで契約するのが一番無駄がなく安全ですか?」と直接プロに判断してもらい見積りを比較するのが最も確実なアプローチです。